補聴器担当の中村です。
冬場は、補聴器の電池消耗が減少することが多い時期です。
その理由を簡単に解説いたします。
発電が起こる仕組みですが、
電池内部の亜鉛が空気中の酸素を取り込んで電解液を消費しながら発電します。
*購入された電池にシールが貼ってあるのは発電をさせないためです。
ところが、石油やガスのファンヒータやストーブをご使用される場合、
空気中の二酸化炭素の濃度が高くなるために
電池内部の電解液との化学反応が必要以上に行い、(余分に炭酸塩を形成)
本来は酸素で発電を起こす電解液の容量を少なくしてしまうからです。
また、乾燥した空気は電池の中の電解液の水分が蒸発しやすくなり寿命が短くなります。
(http://panasonic.jp内のPZ18210より引用)
温度(℃)、湿度(RH)、濃度(ppm) 蛇足:清浄な大気での二酸化炭素濃度は400ppm位です。
補聴器のパンフレット内には、「電池寿命(連続使用)(h)」の記載があります。
こちらの基準値は、通常状態を基準にしていますので、
今の時期は2割程度は電池が早くなくなると思います。
あと、使用電池はメーカーからの販売品を購入しましょう。
あまり安価な電池は電圧や容量に不安があります。
冬場の購入時は1パック余分にお求め頂くと安心ですね。
補聴器メーカー「シバントス」のHPには
こちらの記載がありました。
電池の寿命を縮める3大要因
それは「低い温度」、「乾燥」、「二酸化炭素」です。
補聴器用の空気電池は化学反応によって発電しています。
温度が下がると反応が鈍り、電圧が上がるまで時間がかかります。
また、乾燥と二酸化炭素は電池を劣化させ、電池寿命を縮めてしまいます。
冬の電池の上手な使い方
1.電池や補聴器が冷えているときは、乾いた清潔な手で電池と補聴器をそっと温めてから使用してください。(低温防止)
2.補聴器を乾燥ケースに入れる際は、電池を補聴器から取り出し、電池は乾燥ケースに入れないでください。(乾燥防止)
3.石油、ガスストーブ等の暖房器具を使用する場合は、換気を十分に行ってください。(二酸化炭素濃度を下げる)
※1日など極端に短い期間で電池がなくなる場合は、補聴器が故障している場合もあります。補聴器販売店へ点検を依頼してください。
補聴器用電池を少しでも長く使えるよう、ぜひコツをおさえてお使いください。
とのことです。
補聴器を利用されている方で、よくご質問を頂くのが
「電池が使い終わった電池か、そうでない電池かがわからなくなる」とのことです。
そんな時に、お役に立てるのは、バッテリーテスターです。
こちらの商品は取り扱い説明に記載いていますが、
電池の収納スペースがありますので、とても便利です。
補聴器の電池容量が少なくなると、
補聴器から交換を促す音が出ますが、
その音が出る容量を下回りますと、
促す音も出なくなり、突然音が聴こえなくなります。
スペア電池の持ち歩きに最適な道具として是非お買い求め下さい。
価格は、税込みで¥880です。
(取り扱い説明書の本体イラストは旧タイプのイラストです。)