深作秀春・深作眼科院長の著作「目がよくなる32の方法」が12月5日
ダイヤモンド社から販売されました。
今回は先生のブログの一部を転用して紹介します。
そこで、『目がよくなる32の方法』について、深作先生への質問です。
Q『近年の子どもたちには近視が増えています。それは統計を見ても明らかです。何が違うのでしょうか?』
A,その違いを統計的に調べ、推測されている原因がいくつかあります。
昔の子どもは外の空き地でよく遊びましたよね。
ところが、最近は空き地もないし、子どもたちは受験勉強に縛られて家の中で過ごしていますね。
つまり外の光を十分に浴びていないわけです。
紫外線の害について語られることはよくありますが、
紫外線のプラス面についてはあまり語られないのです。
大人になると紫外線による白内障や網膜の障害が大きな問題になります。
しかし子どものうちは紫外線の害よりも利点の方が多いのです。
子ども時代は、紫外線による障害は活発な代謝によって相殺されます。
なんにでも、プラスとマイナスがあるということです。
紫外線とは可視光線の紫より短い波長である不可視光線の電磁波です。
近年の研究ではこの紫外線だけでなく可視光線の紫の光(ヴァイオレット・ライト)の近視予防効果を強調する発表もあります。
結論的に言えば、400ナノメーター前後の波長により近視化予防効果があるとのことです。
この理由を考えましょう。目を形作る細胞、特に角膜や強膜などには膠原線維(コラーゲン)が多くあります。
紫外線を浴びることで、膠原線維同士が繋がって太く硬くなります。
眼球が硬くなることで近視化予防が可能であることが分かって来たのです。
つまり日光で浴びる程度の紫外線なら、子ども時代であればマイナスよりもプラス面が大きいということです。
近視化は、目の圧力(眼圧)で眼球が内側から伸びて、目の長さ、つまり眼軸が伸びることで起きます。
目の長さが伸びることで近視が進むのです。昔の子どもたちは学校が終わると、外でのびのび遊んで、日の光を浴びていました。
このことで紫の光や紫外線も十分に浴びて、目の膠原線維同士が繋がって眼球の組織が太くなります。
目が硬くなることによって、眼圧によって伸びる割合が減るはずです。そうすると近視化が少なくなるはずなのです。
もうわかりましたか? 子どもの頃の近視化を防ぐには、
昼間は外で、みんなで遊びやスポーツをして、日光を十分に浴びるほうが良いということです。
『勉強のしすぎで視力が落ちるわけではない』
巷では、勉強しすぎて近くばかり見ていることで、
近視化すると言われてもいます。
しかし、この俗説は間違っています。
勉強すること自体が悪いのではなく、
外で遊ぶ時間をとれないことで目が柔らかいままなのが問題なのです。
目が柔らかいと、目の圧力(眼圧)でどんどんと目の長さ(眼軸)が伸びて、
近視化が進むといえます。
私自身の話で恐縮ですが、小学校でも勉強は一生懸命しました。
同時に外の空き地で野球もやりました。
毎年の夏休みは海辺の太陽の下で過ごしていましたが、
夜は毎日1冊の本を読むほどの読書家でした。
中学校ではサッカーの選手で、日中はサッカー部の練習があり、
太陽の下でサッカーに夢中でした。
帰宅後は仮眠を取り、夜中に起きて猛勉強をしました。
もしも勉強をたくさんやったのが近視を起こす原因なら、
誰よりも勉強を頑張っていた私も近視となっていたでしょう。
しかし、私は勉強もしましたが、日中は外で遊びやスポーツをして過ごしましたので
紫外線や紫光(ヴァイオレット・ライト)を浴びて眼球の組織が硬くなりました。
その結果全く近視にはなりませんでした。
このように、本を読むなど、近くの物をよく見ることが近視化の原因ではないのです。
子ども時代は外でよく遊ぶとか、太陽の下でのスポーツをしていれば、家で猛勉強しても近視化はあまり起きません。
2018年10月3日の「livedoor News」の記事も一度ご覧ください。
気になったのは
流行の「眼球トレーニング」についても
「本当に止めてほしい。目をキュッキュッと動かすことによって、
硝子体という繊維が揺れ、網膜を引っ張ってしまう。
これが原因で網膜剥離になる人がたくさん出ていて、
私もたくさん手術してきた。ああいう変わったことは止めてほしい」
の文面です。ご参考にしてください。